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オタクはキャバレーを観るために年を越しました。

※ネタバレ含みます。















キャバレーの感想はTwitterにも書いたけれど、140字ではとても収まらない私の重~~い気持ちを残しておきたい。



















































2016年、エンタメを摂取するのを生きがいとしていた私にとってとても傷付いた事があって、私の中の基礎みたいな、とっても大切なところを踏みにじられたような気持ちになり毎日つらかった。
でもチケットはあるから舞台やライブに変わらず行ってたんだけど、どうも前みたいに純粋に楽しむことはできなくなってしまったんだよね。
目の前にいる人達には本当に申し訳なかったけど、ふとした時に悲しい感情が湧いてきて別の事を考えてしまう事が多々あった。
トラウマになったんだと思う。
ほぼ毎日泣いてるし、ぐっすり眠れなくなった。
2016年が終わるのと一緒に、私も終わりにしようかな。なんて気持ちになってた。



それでも2017年にやってきたのは、松尾さんのキャバレーがまた観たかったから。
他にも心の支えにして踏ん張ってきたものはいくつかあるけれど、キャバレーが2017年の1月公演で本当に良かった。



オタクはキャバレーを観るために年を越しました。
ありがとう松尾さん。ありがとうキャバレー。



10年ぶりに観たキャバレーは、当時と変わらず私を楽しませてくれました。
10年前の私は学生で、大人計画を好きになったばかりで、舞台もそんなに観たことなくて…
でもすごく楽しかった事は覚えてる。
それがまた観られた事。本当に嬉しかった。
大人になってから分かることもある。
サリーやシュナイダーさんの言葉がこんなに染みるとは…10年越しに会えて良かった。


(強烈に記憶に残っている冒頭のおっぱいパッカーンが変わってなくて嬉しかった。)
(生卵にソースを入れるプレイリーオイスターは果たしておいしいのか、今後も試す勇気はなさそう…。)




MCの
「悩みですか?入り口の所に置いてきて下さい。
ジャパニーズ盛り塩の隣に置いてきてきて下さい。」
この台詞が大好きで、この台詞に救われたと言っても過言ではない。
キャバレーを観ている間は、本当に、悩みは入り口の所に置いてくることができました。ありがとう。

サリーもクリフも、シュルツさんもシュナイダーさんも、幸せを掴もうとした時に引き離されてしまう。誰も悪いわけじゃない。誰かのせいにするなら、時代のせい。
どうにもできないもどかしさが、やるせなくて仕方ない。
この部分は10年前の私より、今の私の方がずしんときました。年を取ってよかったと初めて思った。

それと、長澤まさみちゃん・小池徹平くん・石丸幹二さんがそれぞれ明るいので、後半へ向けての振れ幅が大きく見えたのかな。
あんなに無邪気に笑うまさみサリーから笑顔が消える深刻さ…つらい。

これは勝手な想像ですが、まさみサリーはどんな時も笑って過ごしてきた子なんだと思う。
悲しくてもつらくても、常に笑顔で頑張ってきた子。
そんなバックボーンが見えたまさみちゃんのサリーは素晴らしかったです。
歌もダンスも、かなり練習されたのではないだろうか。
「ママに言わないで」、「マイン・ヘル」、「Maybe This Time」も大好きだけど、「キャバレー」はもう圧巻です…。一番好きだ。
3回観た内の1度しか1階席で観られなかったので、もう確認できませんが、まさみサリーは涙を流しながら「キャバレー」を歌ってました。
感情が歌にのって、心が震えたよ…
私は女優よ!と言った後、キャバレーの皆に笑われて歌う曲がこの「キャバレー」。
オレンジ色のドレスに着替えて、腹をくくったように笑顔で歌い出すのです。
「明日のことはさておき、一緒に歌おう。人生はキャバレー。そうじゃん。人生はキャバレー。」
この時だけは、私のためだけに歌ってくれているのではないかと錯覚しました。
自分もつらいだろうに、目の前のお客さんに向けて明るく笑顔で歌っている。励ましてくれている。彼女の頬は涙で濡れているけれど。
自己犠牲の塊のようなまさみサリー、まじアイドル。
まさみちゃんの凄さを見せつけらました。大好きです。
松尾さんが演出した 長澤まさみの笑い方 をさらっとやっちゃう所も好きー!


秋山菜津子さん演じるシュナイダーさんの言葉もぐさぐさ来た。
「日が昇り、月が消え、いやおうなく地球は回る。」
そうなんだよ、どんな事が起こってても、地球って回るんだよね…。切ない。
この壁がお芝居のベニヤの板で出来ていて、そこの扉を出るとロビーがあって、ワンピース歌舞伎かなんかのチラシが落ちてて、制服を着たかしこまった感じの日本人が「トイレはあちらでーす。」とか言ってるんでしょ。でも私はそこに行かないから関係ない。って台詞…。
面白くて毎回笑っちゃうんだけど、同時にすごく切ない。
「でも私はそこに行かないから関係ない。」
可笑しさと哀しさを同時にぶつけてくる松尾スズキテイスト。あぁ松尾さん、松尾さん…。

(あ、東京はワンピース歌舞伎だったけど、神奈川はオペラ座の怪人だったので地方公演は何になるんだろう?)



幕が開いたときに、あ、松尾さんのお芝居だ。って感じたんだよね。
松尾スズキの匂いっていうの?あれが充満してる。
やっぱりこのキャバレーは松尾さんのものだよね。

あと、村杉さんは松尾作品には欠かせない人なんだなっていうのをしみじみ思いました。
クリフの部屋の窓を蹴破るアクション(アクション?)がすごく漫画ちっくで、こういう動きを一番上手くできるのが松尾さんだと思うんだけど、その次に上手いのが村杉さんなのではないかと。
それと、これは超個人的な感想ですが、村杉さんが今回も役得で歯ぎしりだよ。
将生の次はまさみとキスかよ。いいなぁ~。

紙ちゃんはパンフレットで話しているように、コストのバックボーンが想像できた。
コストもきっと、何かのために頑張って働いている子なんだと思う。
ホルンを披露する所があって毎回楽しみだった。
紙ちゃんファンへのサービスタイムだ!



印象的なラストシーン。
初演は阿部サダヲさん演じるMCが鳥肌もので、阿部さんが全部持ってった感がある。と記憶してました。
今回もラストシーンはやっぱり怖いね。
キャバレーから去っていくクリフ以外、煙草を手に持っていて、煙が消えるようにみんないなくなってしまう。
まるで夢のよう。不気味なMCが幕を下ろす。

本当に観れて良かった。
カテコの皆さんはいい笑顔で、それもまた素敵。
各々楽器を持ってきてみんなでキャバレーを歌うの。(徹平くんがアコギ!)
この時、シュルツ&シュナイダーの小松&秋山コンビが一緒に踊るのが涙が出るくらい嬉しいんだ。
物語では悲しい結末だったけど、カテコではめちゃくちゃハッピーだよ!
踊り終わった後、上手くいったわ!と言わんばかりに小松さんにアイコンタクトする秋山さんがかっこ良かった!
小松さんの幕間のサービスも楽しかったなぁ。
二人のパイナップル・ソングも最高だった。

楽器と言えば、ブラバンもキャバレーの衣装を着てMCに紹介されてたのが良かった。
ゴーゴーボーイズ・ゴーゴーヘブンの流れを感じた。あぁ松尾さん、松尾さん。



気が早いですが、また松尾さんのキャバレーが観たいなぁ。何年か後でいいので。
また観たいなぁ。



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久しぶりに初演のキャバレーのパンフレットを読んでいたら、松尾さんが大変な時期だったんだね。
時系列が分からなくなってしまったけど、体調を崩された後、新作が書けないならこれからは自作の再演だけやっていけばいいんだ…というような事を仰っていた時期もありましたよね。
あれを見たときはショックだったけど、松尾さんが健康で過ごしてくれれば何でもいいと思ったよ。
最近では、新作もやるし再演もやるしで、オタクは幸せです。ありがとう松尾さん。



キャバレーの歌詞の中にもあったけど、松尾さんの作品はいつも、あんたもこっち側でしょ?こっちにおいで、一緒に遊ぼうって言われてる気がして、それがいつも嬉しいんだ。こわいけど、嬉しいんだ。
大好きです松尾さん。



キャバレーから10年という事は、ドブの輝きからも10年経ったんですね。
2017年は大人計画結成30周年ではないですか!
おめでとうございます!
またドブの輝きみたいに贅沢な舞台、観たいな~。
宮藤さんのスケジュール的に難しいのかな。
とりあえずは、発表済みの業音をまた心の支えのひとつにして、踏ん張っていきたいです。